会長挨拶
第51回という本学会の第2章の幕開けの大切な時期に会長を担当することになり大変光栄です。会員の皆様にはご多忙中にも関わらず、335題におよぶ演題登録をいただき、感謝でいっぱいです。臨床と基礎研究の両方から素晴らしい演題をたくさんいただきました。JSPE の伝統を受け継ぎ、厳選な査読を行って、口演演題を選びました。
今回のテーマはGrowth, Nutrition and Developmentです。「栄養と内分泌」セッションを設け、また、「移行期医療」も取り上げました。小児期発症内分泌疾患を持った子どもたちの自立と自律を支援することは「育てる」ことそのものであり、すべての医療者にとって重要な課題です。UK からGleeson 先生をお招きし一緒にこの問題を議論できることも喜びです。
女性医師支援サロンも設けました。女性医師の問題は働き方の問題でもあり、JSPE が今後さらに発展するための人材育成のキーワードの一つと考えます。
また、英語を少しでも身近に感じていただく工夫をしました。抄録集は、演題名、演者、所属を英語併記にしました。最優秀演題・若手優秀演題候補演題、高得点演題から選び、英語セッションを設けました。世界に通じる演題ばかりです。日本での開催ですが知的な刺激を味わっていただき、今後の活動のモチベーションになればと思います。
特別講演は2人の講師をお招きしました。山極壽一京大総長にはゴリラ社会の研究を通してヒトの子育てを語っていただき、稲垣暢也京大病院長には内分泌学の研究・臨床を栄養学の視点を入れて、内分泌学の楽しさを語っていただけるものと思います。
「9 月20 日子どもの成長啓発デー」に因んだ市民公開講座も最終日に行います。是非ご参加いただければと思います。
近畿・西日本の仲間たちがプログラム企画委員を、大薗恵一先生がプログラム企画委員長を引き受けてくださり、本学術集会を作り上げてきました。
会場は、再開発の進む大阪駅からほど近い梅田スカイビルです。きれいになった大阪の街で、最新の知識を学んでいただくと同時に、小児期発症内分泌疾患を持った子どもたちの成長のきせき(奇跡、軌跡)を見守りながら、「育てる楽しさ」を考えていただける学術集会になればと願っています。
たくさんの皆様のお越しをお待ちしております。
第51回日本小児内分泌学会学術集会
会長 位田 忍
(大阪母子医療センター 副院長/消化器・内分泌科)